ブルーベリーを育てるときは2本植えないと実がならないとよく言われます。
1本でも実がなるということはないのでしょうか。
ブルーベリーの受粉のメカニズムについて解説していきます。
自家受粉と他家受粉
植物で、1本でも実がなることを自家受粉、2本以上で実がなる場合は他家受粉と呼ばれます。
自家受粉は、1本の植物だけで受粉を完結することができるので受粉率が高くなりますが、遺伝子的に見ると他の遺伝子との交配がないので劣性遺伝子を受け継いでしまうというリスクがあります。
他家受粉の場合は、受粉するための他の植物が必要となるため、受粉率が下がる一方で、多品種との受粉によって遺伝子の組み合わせのバリエーションが増えるので、優秀な種が作られやすいというメリットがあります。
自家受粉が出来る植物と出来ない植物は植物の種類や品種によって異なりますが、ブルーベリーは他家受粉を主に行うことで進化して種をキープしてきた植物ということがいえます。
ブルーベリーを1本で育てる場合
ブルーベリーは他家受粉でないと絶対実がならないかというと、そういうわけではありません。
ブルーベリー1本でも実がなることもできます。
ただし、1本だけだとどうじても結実率が悪く、収穫量が少なくなります。
特にラビットアイの場合は自家結実性に劣るので、1本でも実がなる量は少なくなります。
一方で、ハイブッシュ系であれば、1本でも実がなる確率はラビットアイよりも高くなるので、1本だけで育てる場合はハイブッシュ系やサザンハイブッシュ系を選ぶと良いでしょう。
複数のブルーベリーの選び方
ハイブッシュ系であれば1本でも実がなるので、庭に1本だけ植えても大丈夫ですが、収穫量のアップを考えるとやはり複数植えることがおすすめです。
ではブルーベリーはとりあえず2本植えればよいかというとそういうわけではなく、他家受粉させる場合は同一系統の別品種ということが条件となります。
ブルーベリーには、ラビットアイ、ハイブッシュ、サザンハイブッシュという3系統があります。
この3系統の中から、同じ系統の中から2品種以上を選ぶということが大切です。
同じ品種にしてしまうと、遺伝子的には同じ花粉になってしまうので、別品種ということも大切です。
例えば、ラビットアイのホームベルという品種のブルーベリーにを選んだ場合は、もう1本はハイブッシュのデュークなどではなく、同じラビットアイのホームベル以外の品種、ティフブルーなどを選ぶということが大切です。
系統や品種についてはブルーベリーを買うときにラベルに書かれているので必ず確認するようにしましょう。